2010年Webアニメコンテスト入賞作品

■小学生以下の部

小学生の作品を評価するのは、いつも難しいのですが、 カット割りといった、画面の変化があるかという観点でみると 「A032 亀の散歩 」 「A037 トマトのいたずら」 「A040 植物の様子」 が印象に残りました。

「A030 ねことちょうちょ」 は、体の向きを変えるなど、 登場人物を動かそうという努力が感じられました。

他に印象に残った作品としては、 子供の目に映る花火の見え方が伝わってきた 「A043 夜の花火」、 シャボン玉の動きをよく観察していた 「A029 シャボン玉 」 困難に直面したへびがジャンプするという意外性に驚かされた 「A033 へびの災難」　 がありました。

これらの中で大賞候補として 「A037 トマトのいたずら」 「A032 亀の散歩 」 「A040 植物の様子」 「A043 夜の花火」 の４つに絞りましたが、 わずかな差で「A037 トマトのいたずら」を大賞としました。

■中高校生の部

中高校生部門は、センスやカット割りなど、技術レベルの向上が感じられました。 ただ、コベルコシステム賞の「秘伝」というテーマについて、 もう少し工夫した作品が見たかったという感想です。

「B064 ここは」 は、つげ義春を思わせるシュールな展開が印象に残りました。 浜辺に打ち上げられた人が立ち上がる部分が印象的でした。

「B051 プロレス 」 は、キャラクターの顔がよく似ておりプロレスファンが楽しめる作品でした。

「B056 雪だるまず」 は、動きがすばらしい作品。 もう少し長い作品が見たかったところです。

「B058 shadows」 は、ひとつのテーマを表現したいという中学生の 気持ちが伝わってきた作品。この気持ちを長く持ち続けてほしい。

「B024 蜘蛛の世界」 は、白黒の線だけで独自の世界を表現したのがすばらしい。 「B025 黎明」 もきれいな作品で印象に残りました。

「B054 夏の思い出」 と 「B061警察vs宝石店強盗~秘伝の宝石~」 は、銃撃戦が出てくるゲーム世界のような作品。 人を撃つシーンがどうかという意見もありましたが、 「B024 蜘蛛の世界」 とともに 「B056 雪だるまず」 に続く高い得点を得ました。

「B056 雪だるまず」 「B063 雪だるまず」 は、同作者より２作品の応募があり、片方の作品だけでは、ストーリーがわかりにくいという問題がありましたが この２作品を繋げて初めて一つのストーリーとなります。 前半部の 「B063 雪だるまず」 とあわせても、２ＭＢ以内、３分以内となるため、 ２つの作品をあわせて、中高校生部門の大賞としました。

■一般の部

全般的に、一般部門と中高校生部門の差があまり感じられず、物足りない感じが しました。データ容量が２ＭＢでは、 音声をいれた作品が作りにくいという意見もありました。

その中で 「C020 大豆さん」 の表現は、企業PRアニメ等として使ってみたいという気にさせられました。

「C009 ちいさなゆうき」 は最初の出だしがすばらしかったです。ストーリーが途中から平凡になったのが残念。 しかし、カット割りはよかった。

最後の落ちや表現がおもしろかったのは 「C008 母さんの秘伝」です。

「C012 morino kumasan」 は、曲に合わせた動きに少し社会性もいれた点が印象に残りました。

また「C006 花の子フワリ」 も社会性のあるテーマを独自の世界観でうまく表現していました。

「C007 サラ忍マン」 も高得点でしたが、もう少し遊んでほしかったという感想です。 これらの中では 「C008 母さんの秘伝」 の評価が総合的に高く、大賞になりました。 「C006 花の子フワリ」が次点でした。

（審査委員会で出た意見を、Webアニメコンテスト事務局がまとめました。）